エクスプレス・パラオ語 文法篇 第1課 音素
音素 (Phonetics)
パラオ語の音素は、日本語や英語と比較すると独特な特徴を持っています。ここでは、パラオ語のアルファベット、母音、子音の体系について解説します。
1. パラオ語のアルファベット
パラオ語の正書法(書き方)では、ラテン文字(アルファベット)が使用されます。
| 文字 | 名称 | 備考 |
|---|---|---|
| a | a | |
| b | be | |
| ch | che | 声門閉鎖音([ʔ])を表す |
| d | de | |
| e | e | |
| ȩ | e-muchel | 中舌中央母音(シュワ [ə]) |
| i | i | |
| k | ke | |
| l | le | |
| m | me | |
| ng | nge | 軟口蓋鼻音([ŋ])を表す |
| o | o | |
| r | re | |
| s | se | |
| t | te | |
| u | u |
2. 母音 (Vowels)
パラオ語には5つの基本母音と、特殊な母音「ȩ」があります。
]
基本母音
- a: 日本語の「あ」に近い。
- e: 日本語の「え」に近い。
- i: 日本語の「い」に近い。
- o: 日本語の「お」に近い。
- u: 日本語の「う」に近い。
特殊な母音:シュワ (ȩ)
文字 ȩ は、言語学で「シュワ(Schwa)」と呼ばれる曖昧母音 [ə] を表します。
- 英語の “a”bout や “u”pon の最初の音に近い、口の力を抜いて出す短い「エ」と「ア」の中間のような音です。
- 例: dȩmak (私の父)
3. 子音 (Consonants)
パラオ語の子音で特に注意が必要なのは ch と ng です。
and the velar nasal [ŋ]]
声門閉鎖音:ch
文字 ch は「チ」や「シ」ではなく、声門閉鎖音 [ʔ] を表します。
- 日本語で「あっ!」と言った時の最後の詰まる音や、「ああ」と発音する際の音の出だしのような音です。
- 例: chad (人)、chull (雨)
軟口蓋鼻音:ng
文字 ng は一つの子音として扱われ、軟口蓋鼻音 [ŋ] を表します。
- 日本語の「あんが(漫画)」の「ん」のような、喉の奥を塞いで鼻に抜く音です。
- 例: ngalȩk (子供)
その他の子音の特徴
- b: 語頭や母音間では [b] ですが、語末や無声子音の前では [p] に近くなることがあります。
- d: 歯音 [d] ですが、語末では英語の “th”([θ])のように聞こえることがあります。
- r: 巻き舌の音(弾き音)です。
4. 二重母音 (Diphthongs)
パラオ語には多くの二重母音が存在します。
- ai: skait (凧)
- au: babier (紙・手紙)
- oi: ois (卵)
- ou: ngau (火)
5. アクセント (Stress)
パラオ語のアクセントは通常、語末から2番目の音節(後ろから2つ目)に置かれます。ただし、例外も多く存在します。
- klukuk [klúkuk] (明日)
- mȩrael [mərā́el] (歩く)