パラオ関連書籍

パラオ関連書籍

坂野徹 著(2019)『島の科学者 : パラオ熱帯生物研究所と帝国日本の南洋研究』,勁草書房,http://id.ndl.go.jp/bib/029722983

戦前の日本学術振興会パラオ熱帯生物研究所に所属した研究者たちが当時どのような暮らしをし、どのような研究をしていたかを史料から明らかにした本です。おそらく現時点である公開資料を使って書ける限界点はここまででしょう。当時のパラオの写真など、貴重な情報が掲載されています。

青柳真智子(1985)『モデクゲイ : ミクロネシア・パラオの新宗教』,新泉社,http://id.ndl.go.jp/bib/000001733678

戦後、パラオに現れた新宗教モデクゲイがどのように誕生し、執筆当時はどのような広がりを見せていたかが克明に描かれている。今のパラオでもモデクゲイを信仰している人たちはいるようだが、本書以降の続報はない。日本語では貴重なパラオの村々のグルーピングなども書かれており、パラオの基本的なことを学ぶにはよい書籍である。

南洋群島教育会 編(1938)『南洋群島教育史』,南洋群島教育会,http://id.ndl.go.jp/bib/000000727350

日本が信託統治していた南洋群島における教育行政の歴史をまとめた資料です。お役所が作っただけあって、歴史書ではなく、あくまでも年代ごとに教員数などを書いた資料集です。当時の学校の写真が多く掲載されており、熱心に教育を行っていた様子がうかがえます。道理でパラオのお年寄りで日本語のできる人が多かったのもうなづけます。国会図書館のデジタルコレクションで読めるのがありがたいです。

Daniel J. Peacock (2007)“Lee Boo of Belau: A Prince of London (South Sea Books)“,Univ of Hawaii Pr

Lee Boo(リー・ブー;1764-1784年12月27日)はパラオの上流階級の息子として生まれ、当時パラオにやってきた英国船でロンドンに行き、当時のヨーロッパの知識を得ようと努力します。しかし天然痘のため、弱冠20歳で客死します。Lee Booのロンドン滞在の様子を描いたのが本書です。

ドイツ人の自然科学者で民族学者でもあったAugustin Kraemerは1906~7年にパラオを訪問した時に詳細な記述を残しています。それが現在でも重要視されています。幸いなことに彼の書いた書籍はすべてオンラインで読むことができます。(Frakturで書かれたドイツ語ですが。)

書籍リスト